銀行融資での大事な指標:
銀行融資を受けるための大事な指標を記載しておりますので、ご参考にしてください
■短期的な指標
・流動比率:流動比率は短期の支払い能力を判断する代表的のものです。
流動比率は次の算式にて求めることができます。
流動比率=(流動資産/流動負債)×100
流動資産は1年以内に現金化する資産です。
そして流動負債は1年以内に現金で支払いが発生する指標です。
つまり流動比率とは、今後発生する支払(負債)をすぐに現金化でき
る資産でどれだけカバーできるのか?を示すものです。
目安としては、100%以上かどうかになります。100%を超えていると
当面の支払いの準備がしっかりできているということになります。
仮に100%未満であれば、支払が相当苦しいということになりますので
資金繰りが圧迫し、銀行融資などが必要となります。
また、流動比率は目指すべきところは150%〜200%を目指すように
してください。
■長期的な指標
・固定比率:固定比率は長期的な資金繰りの安定性を示す指標です。
固定比率の算出は次のようになります。
固定比率:【(固定資産+投融資+繰延資産)/純資産】×100
固定資産や投融資、繰延資産は現金として回収する、また事業の収益に
寄与するのに長期間を有する資産です。
従って固定資産などの取得に要した資金は固定化してしまう=なかなか
返ってこないということになります。
このように回収に長期間を要する資産に投じる資金は、短期の銀行融資
のようにすぐに返済しなければならない資金で賄うよりは、返済期間が
長期の資金で賄うことが資金繰りを安定させることになります。
その点で純資産というのは返済義務ない資産です。
従って、固定資産などが純資産でカバーできる割合が高ければ高いほど
つまり、固定比率が低いほど長期的な資金繰りは安定することになりま
す。
目安としては、100%を下回る必要があります。100%を超えるという
ことは、回収に長期間を要する固定資産などを返済負担のある負債にて
1部を賄っているということになるので、長期的な資金繰りを圧迫する
ことの原因となります。
■安定性を示す指標
・自己資本比率:自己資本とは資本金と会社設立以降の利益の合計額と考えて
下さい。そしてその自己資本が総資産に占める割合のことを
自己資本比率と呼びます。次の算式にて求めることができます。
自己資本比率=(自己資本/総資産)×100
自己資本は資本金と会社の利益の蓄積なので、多ければ多いほど
良く、自己資本比率は高ければ高いほど良いということになります
また、自己資本がマイナスの場合は、債務超過ということになり
ます。債務超過とは負債の合計額が資産の合計額を上回っている
状態のことを指します。
自己資本比率の目安ですが、10%以上のプラスを目指すように
してください。よく30%以上を目指せとか言いますが、銀行融資
を検討するさいにそこまでの自己資本比率は必要ありません。
■有利子負債依存度を確認する指標
・有利子負債依存度:算出は次の通りになります。
有利子負債依存度=【有利子負債/(総資本+割引手形+裏書譲渡手形)】×100
有利子負債依存度が高いということは、言い換えれば借金に
よって経営が成り立っているといえます。
この指標は低ければ低いほどよいとされています。
例えば、有利子負債依存度が高い企業は、銀行融資が問題なく
受けている場合はいいですが、銀行融資が難しくなると途端に
倒産の可能性が高まります。
また有利負債依存度が高いということは、会社の規模に対して
借入金が多いということです。借入金が多ければ支払利息も
発生するので、企業の資金繰りに支障をきたします。
・借入金月商倍率:算出は次の通りになります。
借入金月商倍率=(短期借入金+長期借入金+割引手形)/月平均売上高
借入金が平均月商の何倍になるのかを計算して、限度額の目安
を判断する指標です。決算書だけでも簡単に判断ができること
からよく利用される指標です。
借入金月商倍率が3ヶ月〜6ヶ月以内であれば銀行融資も
難しくありませんが、それ以上になると厳しくなってきます。
とりあえず、押さえてほしいポイントの指標をお伝えしました。
しかし、これはあくまで目安としての指標です。実際には、担保や保証人の有無、
社長の経営能力などにもよります。上記の借入金月商倍率も11ヶ月を越えても銀行
融資を受けた企業もありますし、銀行内にも○ヶ月以上だと融資不可みたいな取り決めもありません。
ただ、上記の指標を目安に銀行融資を検討しなければ、借入金ばかり多くなり、それだけ支払利息も増加しますので、銀行からの評価も下がり不安定な経営にもつながりますので、注意が必要です。